皆さんおいっす☆
天気の子が大ヒット上映中で、新海監督作品に興味が湧きました。
今まで君の名は。しか観たことがなくこれを機会に過去の作品を観ていきたいと思い言の葉の庭を観てきました。
率直に言って、天気の子や君の名はに比べると雰囲気が大人っぽいですが、めちゃくちゃ面白い泣ける作品でした。
ネタバレを含みますので、見たことが無い方は戻ることを推奨します。
ストーリー紹介
職人を目指す高校生のタカオ(CV:入野自由)は、雨の日の1限目はサボって新宿御苑の庭園で靴のデザインをするのが日課になっていた。
そんなある日、タカオは朝からビールとチョコレートを飲み食いしている女性、ユキノ(CV:花澤香菜)に出会う。
そこで万葉集の短歌を言い残す。
ここから二人の雨の中だけの交流が始まった。
いつもの雨の日、タカオはいつもよりはしゃいでいる様子だった。
それはユキノに会うのが楽しみな心情が現れているのかもしれない。
会話を重ねて行くことでお互いを知り始める二人、そこでユキノは意味深な言葉を残す。
タカオの家庭は複雑でお兄さんと母親の3人暮らしである。
その母親は家を出ていくと置手紙を置いていき、兄は彼女と同棲をするので家を出ることが決まっている。
靴の学校に通いたいタカオは学費を稼ぐためにラーメン屋でアルバイトをこなす日々だった。
お互いのお弁当のおかずを交換したり、タカオが初めて他人に靴職人を目指すことを伝えお互いの距離は確実に近づいていた。
ユキノがアルコールとチョコレートしか食べないのには理由があった。
味覚障害で他の食べ物は味がしないのだが、タカオの作るお弁当だけは例外であった。
それからも何度もお弁当を食べさせてもらったユキノは御礼としてタカオが欲しがっていた靴の本をプレゼントした。
そこでタカオは女性の靴を作っているが上手く進んでいなかった、そこでユキノの足を参考に作らせてもらいながらタカオはユキノに惹かれている自分が居ることに気づく。
そして7月にもなり梅雨が明け、必然的に晴れの日が続く。
それは二人が会えないことを意味した。
会えない日が続き夏休みに突入したタカオ。
毎日バイトのシフトを入れて学費の足しにしようと努力する。
お金は学費だけではなく、靴の材料費にも必要だった。
ユキノが歩きたくなる靴を作るために、タカオは強い決意でユキノに会うことを我慢する。
九月、出会わなくなった二人は思わぬ形で再会を果たす。
タカオが通う学校の廊下で二人はすれ違った。
ユキノはタカオが通う学校の古典の先生だった。
生徒との問題が起こり先生への嫌がらせが行われユキノは学校に来れなくなったことをタカオは知る。
タカオはその問題の生徒の名前を聞き出す、強い意志を持って。
タカオはその生徒の所に乗り込み平手打ちをする、しかし取り巻きの男子に殴られボロボロな姿になってしまう。
晴れの日の公園で初めて出会う二人。
短歌の返しを伝える。
ユキノの家に上がり二人は今の時間が幸せだと気付く。
それに気が付いたタカオはユキノへ告白をするがユキノは自分は先生だと、来週実家に帰ることを伝える。
ユキノの返事はオブラートに包まれていたがいい返事ではなかった。
タカオは最後にお別れの挨拶をして家を出ていく、ユキノ一人残った部屋に雨の音だけが響く。
ユキノは裸足で部屋を飛び出すした、タカオを追いかけて。
タカオはユキノのマンションの階段で佇んでいた。
そこでタカオは今までのモヤモヤした気持ちをユキノにぶつける。
感情を爆発させて。
それを受け止めるようにユキノもタカオに感情を爆発させる。
「あなたに救われてたの」と。
冬になり四国で再び教師になったユキノから手紙が来ていた。
タカオは完成した靴を手に思い出の庭園を訪れ、靴を置き。
「もっと遠くまで歩けるようになったら会いに行こう」と決意する。
好きな台詞
「どうせ人間なんてどこかちょっとずつおかしいんだから」
何度目かの雨の日、公園での台詞。
お互いに仕事や学校をサボっていると話し、タカオはユキノがアルコールしか飲まないことを心配する。
それにユキノは大量のチョコレートを鞄から取り出して見せる。
「今、やばい女だって思ったでしょ?」
そのあとに「いいの、どうせ人間なんてどこかちょっとずつおかしいんだから」
初見で観た人はまだこの言葉の意味が理解できないと思います。
しかし最後まで観終わればこの言葉の意味の深さに気が付くでしょう。
ユキノは学校での居場所が無くなり休職中でな尚且つ味覚障害でアルコールとチョコの味しかわからない。
それだけではなく自分を批判して居場所を奪った生徒はその保護者達に向けて言った言葉だと推測しております。
そう考えるととても深い言葉です。
「夜眠る前、朝目を開く瞬間、気付けば雨を祈っている。」
ピアノのBGMが流れるシーンでタカオの語りが入る。
雨がタカオとユキノを出会わす唯一の方法。
そして靴職人を目指すことがユキノの居る世界に入れる方法だとタカオは信じる。
だからこそタカオは雨を祈り、ユキノに会いたいと願う。
もう彼がユキノに惹かれているからこそ出た言葉だと感じた。
「あれ以来嘘ばっかりだ」
元カレとの通話で嘘を言うシーン。
膝を抱え自己嫌悪するユキノ。
元カレにタカオのことをおばあさんだと嘘を言い、タカオに連なることに嘘を重ね、そのことに自己嫌悪したと感じた。
彼女はタカオの本名や正体をしっているし、家族以外誰も知らない靴職人を目指すことも聞いている。
しかしユキノは自分の名前も身分も知らせない。
あの庭になぜ来ているのかさえも。
この台詞の「あれ」はタカオと出会ったときを指すと推測する。
本心が言いたいけど言えないユキノの葛藤がこもっている台詞だと感じた。
「私ね、上手く歩けなくなっちゃったの」
靴の本をプレゼントしたユキノ、靴づくりに悩んでいるタカオにユキノが協力する。
ここも静かなピアノのBGMと雨が降る音、鉛筆の書く音やメジャーの音
時間が止まっているかと錯覚するようなシーン。
そしてこの台詞は初めてユキノが自分のことを、勇気を出して伝えたシーンでもある。
この「歩けない」は仕事だけではなく、それこそ人生が上手く行かないと言うことを伝えたかったのではと感じた。
「梅雨が明けて欲しくなかった」
梅雨が明けた7月の晴れの日のユキノの言葉。
二人の会う頻度が少なくなり先生という立場としては喜ばしいけど、それは建前で本音では会いたいと思うユキノの本心。
今までタカオからはユキノへ惹かれている言葉な何度かあったが、ユキノからはこれが初めてだと思った。
言葉に出るほどユキノのタカオへの気持ちは溢れていると感じる言葉。
「私はね、一人で歩ける練習をしていたの、靴が無くても」&「やっぱりあなたのこと嫌いです」
前者はユキノの言葉で後者はタカオの言葉。
この台詞お互いに相手への気持ちを封印して出た言葉。
前者はタカオの告白、ユキノの返事の言葉。
この台詞の辛いところは、ユキノの辛い嘘が混じっていると感じたから。
あえて靴を使った表現をしたのは明確な拒否を示したかったら。
お別れの挨拶にしようとするユキノの感情を抑える気持ちを感じて胸が辛くなったシーン。
そのあと出ていったタカオを裸足で追いかけるユキノ。
これが彼女の本心。
後者は追いかけてきたユキノに言ったタカオの言葉。
憧れていた自分は子供で、ユキノの傍にいる資格もないなら最初から正体を明かして無理だと言ってくれればいいのにと声を荒げて言うタカオ。
もう彼はユキノに惹かれているが振られた、それなら嫌いになれば、憧れさえも抱かせないで学校に行けと、なんで言ってくれなかったんだと気持ちが爆発したシーン。
この憧れは靴職人への夢とユキノへの気持ちが2つ混ざった言葉だろう。
好きだけど振られてしまった、でもユキノが好きだからこそ出た言葉だと感じる。
嫌いと言って嫌いと返してくれれば、タカオは諦めることができるだろうと考えたのだ
ろう。
そしてユキノは自分の本心だけを現し、タカオへ抱き着き自分の弱さと本心を伝える。
この作品一番の感動ポイントで、ここから入るEDがまた相まって涙を誘います。
キャラクター
秋月 孝雄(CV:入野自由)
最初は高校生のわりに大人っぽい雰囲気を感じた。
だが作品を最後まで観ていくとそれは勘違いだと気が付く。
彼はとても子供っぽい、しかしそれは悪いことではない。
靴職人を目指すのもどこか違う自分を見つけたい気持ち、学校に流れる閉塞感を破ろうとしての行動だと思うので。
とても行動力があり目的の為に努力が出来るカッコいい男の子だった。
雪野 百香里(CV:花澤香菜)
最後までミステリアスなヒロインだった、しかし最後で彼女の気持ちがすべて流れ込んで来た気がした。
強そうで凛として気丈に振る舞っていたが、人並に弱くい普通の女の子だと感じた。
きっと弱音を言うのが苦手で誰かに寄り掛かるのが苦手なのだろう。
最後はなぜか少し親近感が湧いたヒロインだった。
まとめ
君の名はと天気の子しか観たことがありませんでしたが、観終わってみれば新海ワールドに引き込まれていました。
約50分という短さでこの充実感は凄いです。
言葉を題材にしているのか、好きな台詞や印象に残る台詞が多かったです。
登場人物も少ないからこそメインの二人に注目できたし、感情移入もしやすかったです。
気持ち的には2時間の映画を観た後の満足感と同じです!
今まで観てこなかったことを後悔しながらEDのRainを聞いています。
この曲も素晴らしいです、君の名は。でも思いましたが新海監督の作品は曲が素晴らしいです!
これで他の新海作品を観るのが楽しみになりました。
皆さんも天気の子を観た後に言の葉の庭はいかがですか?
似ている箇所もありますよ!
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